「red」の語源と意味の広がり|怒り・危険・革命・愛をつなぐ色

英語の「red」。
単なる「赤」ではなく、怒り・愛・革命・警告など、多くの象徴を持つ色です。
この記事では「red」の語源をたどりながら、その象徴的意味がどこから来たのか、どのように広がっていったのかを見ていきます。


🔴 「red」の語源はどこから来た?

現代英語「red」は、古くから印欧語族で共通の語源を持つ言葉です。

印欧祖語「*reudh-(赤い)」

 ↓

古英語「rēad」

 ↓

中英語「red」

 ↓

現代英語「red」

この語源は、他の多くの言語にも共通しています:

言語「赤」
英語red
ドイツ語rot
ラテン語ruber(派生語:rubyなど)
スペイン語rojo
ロシア語красный(krasny)
サンスクリット語rudhira(血)

※「ruby(ルビー)」や「rouge(仏語:紅)」もこの語源に由来しています。


😡 「red」が怒りを表す理由

He turned red with anger.(彼は怒りで顔が赤くなった)

怒ったときに顔が紅潮するのは、誰もが経験する身体反応です。
これがそのまま、「赤=怒り」の象徴になりました。

  • “see red”(怒りで我を忘れる)
  • “in a red rage”(激昂して)

など、英語では怒りを表す表現に多く使われます。


🚨 危険・警告の色としての「red」

赤信号、赤いランプ、火事、出血など、「赤」は危険の象徴です。

これは自然界での「血」や「火」の色と直結しており、

  • 「見るとすぐ危機に気づける」
  • 「本能的に反応できる色」

として、人間の視覚に強く訴える色です。

red alert(非常警報)
red flag(警告・危険信号)


❤️ 愛・情熱の色としての「red」

バレンタインやハートマーク、バラなど、「赤」は愛の象徴としても使われます。

これは「血の色=生命=情熱」といった連想や、感情の高まりと関係しています。


🟥 革命・共産主義の象徴としての「red」

  • ソビエト連邦の国旗
  • 赤軍
  • 赤い星

など、「red」は20世紀以降、共産主義・社会主義の象徴としても定着しました。

この背景には、フランス革命や血を流して自由を勝ち取るという象徴的意味が込められています。


📚 その他の「red」表現・慣用句

表現意味
red tapeお役所的な非効率な手続き
in the red赤字(収支がマイナス)
paint the town red派手に騒ぐ、街で大暴れする
catch someone red-handed現行犯で捕まえる(手が赤く染まっていたというイメージ)

✅ まとめ

側面内容
語源印欧祖語 *reudh- から派生
怒り顔が赤くなる生理反応から派生
危険血・火との視覚的結びつき
愛・情熱血や心臓の色、情熱の象徴として
革命・政治歴史的背景から共産主義・革命の色に
慣用句赤は多数の比喩表現に登場する豊かな語

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🌐 英単語の色は、単なる色を超えて、その文化・歴史・感情までも映し出している。

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