フィリピンの通貨コードは「PHP」。
「PH」はPhilippines(フィリピン)を示す国コードであり、
最後の「P」は通貨名「Peso」に由来しています。
ここまでは自然な流れですが、他のペソ通貨と比べると、
フィリピンだけが独自の記号「₱」を使っているのをご存知でしょうか?
今回は、この「PHP」というコードと、フィリピン特有の通貨記号「₱」の背景に迫ります。
通貨コード「PHP」の構成
「PHP」は、ISO 4217で定められた3文字の通貨コードです。
- PH:国コード(Philippines)
- P:通貨名「Peso」に由来
他のペソ系通貨(MXN、CLP、ARSなど)と同様、
国コード + 通貨名で構成された標準的なスタイルです。
なぜフィリピンは「₱」を使っているのか?
ペソ系通貨の多くは「$」を使っていますが、
フィリピンでは独自に「₱」という記号が定着しています。
● 1. 他国と区別するため
- ペソはスペイン語圏を中心に広く使われており、メキシコ・チリ・アルゼンチンなども「$」記号を使用
- フィリピンもかつてアメリカ統治下で「$」を使用していたが、独立後は明確な差別化が必要に
● 2. 「₱」は「P」に縦線を入れた視覚デザイン
- 「Peso」の「P」に1本(または2本)の縦線を加えて通貨記号化
- 「$」「£」「€」など他の主要通貨記号と同様の構成で、視認性が高い
● 3. 国家アイデンティティの象徴
- フィリピンは1946年にアメリカから独立
- 通貨の記号も「自国のもの」としての意識が強く反映された結果が「₱」
つまり「₱」は、単なる略号ではなく、フィリピンの通貨を他国と明確に区別し、国家を象徴する記号なのです。
まとめ:PHPと₱に込められた意味
- PHP は「Philippines + Peso」の構成
- 通貨記号は、他のペソ圏と一線を画す「₱」を採用
- 国際的な表記標準と、独自の視覚的アイデンティティを両立している
コードと記号の両面から見て、「PHP」と「₱」は、
フィリピンの通貨が持つ歴史的背景と独立性を象徴する存在です。
次回予告:ノルウェークローネはなぜNOKなのか?|通貨コードの由来
→ クローネ(Krone)は王冠を意味する言葉。
その歴史と、北欧における通貨文化を読み解いていきます。
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