北朝鮮の通貨コードは「KPW」。
「KP」は国名の略で、「W」は通貨単位「ウォン(Won)」を表しています。
今回は、通貨コード「KPW」と、そこに込められた歴史と制度の背景を見ていきます。
通貨コード「KPW」の構成
「KPW」は、ISO 4217で定められた通貨コードです。
- KP:国コード(Korea, Democratic People’s Republic of)
- W:通貨名「ウォン(Won)」の頭文字
つまり、KPW = Korea (North) + Won。
このコードは、韓国の通貨コード「KRW(Korea, Republic of + Won)」と対をなす形で設計されています。
北朝鮮ウォンの歴史と通貨改革
初代ウォン(1947年導入)
- 1947年:日本統治時代の朝鮮円を置き換える形で導入
- 外国人訪問者向けに別の通貨を用意するなど、国内外で異なる通貨が流通
二代目ウォン(2002年まで)
- 一時期、1ドル=2.16ウォンに固定(2.16は金正日総書記の誕生日)
- 2002年:外国人向け通貨の使用を廃止し、外貨の使用を公式に認める
三代目ウォン(2009年導入)
- 2009年:通貨改革により新ウォンを導入(1新ウォン=100旧ウォン)
- 交換上限が設けられ、国内経済に混乱を招く結果となった
通常、通貨改革(リデノミネーション)が行われると、
国際通貨コードも変更されることがあります(例:TRL → TRY)。
しかし北朝鮮ウォンは、国際為替市場で流通しておらず、
通貨コードが外部で参照される機会がほとんどありません。
そのため、旧ウォン・新ウォンともに通貨コードはKPWのまま据え置かれています。
通貨記号「₩」について
北朝鮮ウォンの通貨記号は「₩」で、韓国ウォンと同じ記号を使用しています。
ただし、国際的な通貨コードでは「KPW」と「KRW」で区別されています。
KPWの現在
北朝鮮ウォン(KPW)は、北朝鮮国内でのみ使用される通貨であり、国際的な為替市場では取引されていません。
政府によって厳格に管理されており、外国人観光客は外貨を使用することが一般的です。
まとめ:KPWに込められた体制と制度
- KPWは「Korea (North) + Won」の構成
- 韓国の通貨コード「KRW」と対をなす形で設計
- 通貨記号「₩」は韓国と同じだが、国際的には「KPW」で区別
- 通貨改革が行われても、国際的流通がないためコードは変更されなかった
KPWというコードは、北朝鮮の体制と経済制度を象徴する存在でもあります。
関連する通貨コード
- KRW(韓国ウォン)
→ 韓国の通貨コード。KPWと対をなす形で設計。 - CNY(中国人民元)
→ 北朝鮮との貿易で使用される主要な外貨。 - USD(アメリカドル)
→ 北朝鮮国内での外貨使用が認められている通貨の一つ。
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