ハンガリーの通貨コードは「HUF」。
「HU」はHungary(ハンガリー)の略で、「F」はForint(フォリント)を表しています。
今回は、通貨コード「HUF」と、そこに込められた歴史と制度の背景を見ていきます。
通貨コード「HUF」の構成
「HUF」は、ISO 4217で定められた通貨コードです。
- HU:国コード(Hungary)
- F:通貨名「フォリント(Forint)」の頭文字
つまり、HUF = Hungary + Forint。
このコードは、国コードと通貨名の頭文字を組み合わせた、一般的な構成となっています。
フォリントの歴史と通貨制度
フォリントの由来
「フォリント(Forint)」の名称は、イタリアのフィレンツェで1252年から発行された金貨「フィオリーノ・ドーロ(fiorino d’oro)」に由来します。
ハンガリーでは、1325年にカーロイ・ローベルト王が金貨「フロリント(florentinus)」を導入し、これが後のフォリントの起源となりました。
近代のフォリント
- 1946年8月1日:第二次世界大戦後のハイパーインフレーションを受けて、フォリントが再導入される。
→ 旧通貨「ペンゲー(pengő)」を置き換える形で導入され、経済の安定化を図る。 - 1990年代初頭:市場経済への移行に伴い、フォリントの価値が下落し、インフレ率が35%に達する。
→ 経済改革により、インフレ率は一桁台に抑えられるようになる。 - 2001年以降:フォリントは完全に兌換(だかん:他の通貨と自由に交換できること)可能な通貨となり、国際的な取引にも対応。
通貨記号「Ft」について
フォリントの通貨記号は「Ft」で、金額の前に付けて表記されます。
例:Ft 1,000
フォリントの現在
- フォリントは、ハンガリー国内で唯一の法定通貨として使用されています。
- ハンガリーは2004年にEUに加盟しましたが、現在のところユーロ導入の具体的な予定はありません。
→ 政府と中央銀行は、独自の金融政策を維持することを重視しています。
まとめ:HUFに込められた歴史と安定性
- HUFは「Hungary + Forint」の構成
- 中世の金貨「フィオリーノ」に由来する歴史的な名称
- 第二次世界大戦後の経済安定化の象徴として再導入
- 現在も独自の通貨として、ハンガリー経済を支える存在
HUFというコードは、ハンガリーの歴史と経済の安定性を象徴する存在でもあります。
関連する通貨コード
- EUR(ユーロ)
→ ハンガリーが将来的に導入を検討している通貨。
※今後記事化予定 - PLN(ポーランド・ズウォティ)
→ 中欧の近隣国で使用されている通貨。
※今後記事化予定 - CZK(チェコ・コルナ)
→ 中欧の近隣国で使用されている通貨。
※今後記事化予定
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