チェコ・コルナはなぜCZKなのか?|通貨コードの由来


チェコ共和国の通貨コードは「CZK」。
「CZ」はCzech Republic(チェコ共和国)の略で、「K」はKoruna(コルナ)を表しています。

今回は、通貨コード「CZK」と、そこに込められた歴史と制度の背景を見ていきます。


通貨コード「CZK」の構成

「CZK」は、ISO 4217で定められた通貨コードです。

  • CZ:国コード(Czech Republic)
  • K:通貨名「コルナ(Koruna)」の頭文字

つまり、CZK = Czech Republic + Koruna
このコードは、国コードと通貨名の頭文字を組み合わせた、一般的な構成となっています。

ちなみに、通貨コードの「CZ」は、「チェコ共和国」の英語表記 “Czech Republic” に由来しますが、
綴りに反して発音は「チェック」と読むため、初見で読めない単語の代表格とも言われます。
このように、“Cz”で「チュ」や「チェ」のような音を作る表記は、
ポーランド語やチェコ語など東欧スラヴ語圏特有のアルファベット運用に由来しており、
英語話者にとっても一種の難読単語になっています。


コルナの歴史と通貨制度

コルナの由来

「コルナ(Koruna)」の名称は、チェコ語で「王冠」を意味し、通貨名としての歴史も長いです。
オーストリア=ハンガリー帝国時代の1892年に導入された「クローン(Krone)」に由来し、
1918年の帝国崩壊後もチェコスロバキアはこの名称を引き継ぎました。

近代のコルナ

  • 1993年:チェコスロバキアの平和的な分離により、チェコ共和国とスロバキア共和国が誕生。
    → チェコ共和国は新たな通貨「チェコ・コルナ(CZK)」を導入し、旧通貨「チェコスロバキア・コルナ(CSK)」を置き換える。
  • 1993年2月8日:チェコ・コルナが正式に流通を開始。
    → 初期は旧紙幣にスタンプを押したものを使用し、その後新デザインの紙幣と硬貨が導入されました。

通貨記号「Kč」について

コルナの通貨記号は「Kč」で、金額の後に付けて表記されます。
例:100 Kč


コルナの現在

  • コルナは、チェコ共和国国内で唯一の法定通貨として使用されています。
  • チェコ共和国は2004年にEUに加盟しましたが、現在のところユーロ導入の具体的な予定はありません。
    → 政府と中央銀行は、独自の金融政策を維持することを重視しています。

まとめ:CZKに込められた歴史と安定性

  • CZKは「Czech Republic + Koruna」の構成
  • オーストリア=ハンガリー帝国時代から続く通貨名「コルナ」
  • チェコスロバキアの分離に伴う新通貨として導入
  • 英語では読みにくい“Czech”の綴りに、スラヴ語圏の文化が表れている
  • 現在も独自の通貨として、チェコ経済を支える存在

CZKというコードは、チェコの歴史と文化、そして通貨としての独立性を今に伝える存在でもあります。


関連する通貨コード

  • EUR(ユーロ)
    → チェコ共和国が将来的に導入を検討している通貨。
    ※今後記事化予定
  • HUF(ハンガリーフォリント)
    → 中欧の近隣国で使用されている通貨。
    ※今後記事化予定
  • PLN(ポーランド・ズウォティ)
    → 中欧の近隣国で使用されている通貨。
    ※今後記事化予定

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