前置き
「朝食」と「断食」。
普段の生活に欠かせない「朝食」と、多くの日本人にはあまり縁のない「断食」。
意味としても正反対のような印象を受けるこの2つの言葉ですが、実は英語では一つの流れでつながっています。
今回は、英単語breakfastの語源をたどりながら、意外な言葉のつながりを見ていきます。
それぞれの単語の意味
朝食は一日の最初にとる食事のこと。訳は「breakfast」ですね。
一方、断食は宗教的儀式や健康法として食事を絶つこと。こちらの訳は「fast」です。
fastをbreakするということは…
朝食という言葉には、**「断食を破る」**という意味が込められているのです。
語源をたどる
英単語breakfastは、
- break(破る)
- fast(断食)
この2語が組み合わさってできた単語です。
つまり、「断食(fast)を破る(break)」=朝食(breakfast)。
夜の間、無意識に続いていた断食状態を、朝食をとることで終わらせる――
それが本来のbreakfastの意味だったのです。
また、fastをbreakするためには、まずfastという概念がなければなりません。
生活に染みついている朝食という習慣ですが、断食の方が人間との関わりはずっと長いのです。
断食は、古代から世界各地で行われてきました。
たとえば、イスラム教におけるラマダーンのように、食を断つことは祈りや修行、心身の鍛錬の一環として位置づけられてきたのです。
同じ語源の単語
ちなみに、fastには他にもこんな単語があります。
- fast(速い)
- fasten(締める、固定する)
これらは一見ばらばらに見えますが、元々は「しっかり固定される」「続いている」という共通のイメージから派生しています。
断食(fast)は、自分を律し、耐え忍ぶ行為でもあります。
成功や喜びを得るためには、まず自分をfast(しっかり保つ・抑える)することが必要なのかもしれません。(自戒)
語源を知ると、英単語同士の意外なつながりが見えてきます。
まとめ
普段何気なく使っている「朝食」という言葉も、
その裏には「断食を破る」という行為が隠れています。
言葉をたどってみると、日常の中に、小さな物語や長い歴史が息づいていることに気づきます。
これからも、そんな日常に潜んだ意外な言葉たちを、少しずつ紹介していきたいと思います。
コメント