スウェーデンの通貨コードは「SEK」。
「SE」はSweden(スウェーデン)の国コードとして納得できそうですが、
最後の「K」は何を意味しているのでしょうか?
実はこの「K」は、スウェーデンの通貨「クローナ(Krona)」の頭文字。
でも、「クローナ」って何? 他の国にもあるけど、どういう意味なんでしょうか?
今回は、通貨コード「SEK」と、そこに込められた歴史と制度の背景を見ていきます。
通貨コード「SEK」の構成
「SEK」は、ISO 4217で定められた通貨コードです。
- SE:国コード(Sweden)
- K:通貨名「Krona(クローナ)」の頭文字
つまり、SEK = Sweden + Krona。
デンマークの「DKK(Danish Krone)」やノルウェーの「NOK(Norwegian Krone)」と同様、北欧に共通する構成です。
なお、「SE」は英語の“Sweden”ではなく、現地語“Sverige”に由来するとされ、
「SV」はすでに他国(エルサルバドル)で使用されていたため、使用可能な組み合わせとして“SE”が選ばれたと考えられます。
また、「Sverige」は「スヴェーア族(Svear)の王国(Svea rike)」という意味の言葉で、
英語名「Sweden」はこの民族名に由来する古英語・ラテン語系の転写形「Swedeland」から派生・短縮されたものです。
「クローナ」とは?|“王冠”の通貨
「Krona」はスウェーデン語で「王冠(crown)」を意味します。
これは君主制の象徴でもあり、通貨に威厳を持たせるために付けられた名称です。
この呼び名は、19世紀に北欧諸国が通貨統合を目指して結成した
スカンジナビア通貨同盟(Scandinavian Monetary Union)に由来します。
- 1873年:デンマークとスウェーデンが同盟を結び、共通通貨「クローネ/クローナ」を導入
- 1875年:ノルウェーも参加し、それまでの通貨「スペシダラー(Speciedaler)」から「クローネ」へ切り替え
- 同盟は1914年に解散しましたが、通貨名は現在も維持されています。
通貨記号「kr」について
スウェーデンクローナは「kr」という記号で表記されます。
これは「Krona」の略で、デンマークやノルウェーも同様に使用しており、
北欧諸国では共通したスタイルになっています。
SEKの現在
スウェーデンクローナは、スウェーデン本土で使用されており、
スウェーデンは現在もユーロを導入せず、独自の通貨政策を維持しています。
まとめ:SEKに込められた王冠と民族の名残
- SEKは「Sweden + Krona」の構成
- 「Krona」は王冠を意味し、北欧通貨同盟の歴史を継承
- 国コード「SE」は、現地語「Sverige」に由来し、「スヴェーア族の王国」という意味を持つ
- 英語名「Sweden」は、「Svear(スヴェーア族)」に由来する外来表記から派生したもの
- スウェーデンはユーロを導入せず、独自通貨を継続中
SEKというコードには、王冠の名とともに、
古代から続く民族の名前や通貨制度が静かに刻まれています。
次回予告:トルコリラはなぜTRYなのか?|通貨コードの由来
→ トルコの通貨「リラ(Lira)」とその通貨コード「TRY」の背景を探ります。
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