韓国の通貨コードは「KRW」。
「KR」はKoreaの略、「W」はウォン(Won)の略です。
ではウォンとは何でしょう?
今回は、韓国ウォンの通貨コード「KRW」の由来を、制度・語源・記号・近隣国との比較を交えて解説していきます。
通貨コードはどう決められている?
KRWは、ISO 4217という国際規格で定められた通貨コードです。
この規格では、世界中の通貨に3文字のアルファベットコードが割り当てられています。
基本ルールは以下の通り:
- 最初の2文字:ISO国コード(ISO 3166) → KR(Korea)
- 3文字目:通貨単位の頭文字 → W(Won)
つまり、「KRW」=「KR(Korea)」+「W(Won)」という構成になっています。
「ウォン(Won)」の語源は?
「ウォン(Won)」という名称は、中国の「元(Yuan)」や日本の「円(Yen)」と同じく、
スペイン・アメリカ銀貨(Spanish dollar)の影響を受けた貨幣制度に由来します。
- 「円(圓)」は「丸いもの」を意味し、銀貨の形状からきたもの
- 韓国では「圓(원)」の漢字が使われていましたが、現在はハングル表記(원)のみを使用しています
韓国の「ウォン」もまた、世界で流通した洋銀の影響を受けて誕生した通貨名といえるのです。
通貨記号「₩」の由来は?
「₩」は、アルファベット「W」に横線を加えた記号で、
通貨名「Won」の頭文字に由来するデザインです。
- 一部フォントでは横線1本/2本のバリエーションあり
- 北朝鮮でも同じ「₩」記号が使用されており、韓国・北朝鮮共通の通貨記号となっています
補助単位「jeon(전)」について
韓国ウォンには、1ウォン = 100 jeon(전) という補助単位が存在します。
これは古い貨幣単位「錢(せん)」に由来していますが、
現代では実際の取引には使用されていません(為替計算などにのみ登場)。
(日本の銭と同じですね。)
北朝鮮ウォンとの違いは?
韓国と北朝鮮の通貨は、どちらも「ウォン(Won)」という名前を持っていますが、
ISO通貨コードでは、区別のために異なる3文字コードが使われています。
- 韓国:KRW(Korea + Won)
- 北朝鮮:KPW(Korea + P? + Won)
この違いは、単に文字列の違いというだけではなく、
それぞれの国の政治体制や通貨制度の独立性を反映した識別子です。
「KR」と「KP」の関係:共通のルーツと体制の分かれ
韓国と北朝鮮はともに、「Korea(朝鮮)」という共通の地理的・歴史的ルーツを持つ国家です。
ISOでもそれぞれに「KR」「KP」という国コードが割り当てられています。
- 韓国:KR(Korea)= Republic of Korea(大韓民国)
- 北朝鮮:KP(Korea + P?)= Democratic People’s Republic of Korea(朝鮮民主主義人民共和国)
このように、どちらのコードも「Korea」をベースとしつつ、
体制や国名の構造に合わせて識別しやすいコードが設定されています。
なお、KRとKPはいずれも1974年のISO初版時点で同時に登録されており、
国際的には、両者を特定の上下関係なく並列的な国家コードとして扱う構造になっています。
まとめ:KRWに込められた通貨・言語・制度の背景
- KRWは「Korea(KR)」+「Won(W)」の組み合わせ
- 「ウォン」は、元・円と同じく“丸い銀貨”に由来する名前
- 通貨記号「₩」は「W」に横線を加えたもので、韓国・北朝鮮共通
- 北朝鮮とは「KPW」という別のコードで区別されており、政治体制や国名の違いが反映されている
後書き
ウォンも円も元も、音は違えど由来は一緒なのだなと思いました。
そして根っこにいるスペインドル。こちらについても記事にする予定です。
しばしお待ちいただければと思います。
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