2025.05.15
インドの通貨コードは「INR」。
「IN」はIndiaの略だとしても、「R」は何?
“ルピー”って聞くけれど、それって一体どういう意味なのでしょうか?
今回は、インドルピーの通貨コード「INR」の意味と、
“ルピー”という名前に込められた語源・文化・記号のデザインまで読み解いていきます。
通貨コードはどう決められている?
INRは、ISO 4217という国際規格で定められた通貨コードです。
この規格では、世界中の通貨に3文字のアルファベットコードが割り当てられています。
基本ルールは以下の通り:
- 最初の2文字:ISO国コード(ISO 3166) → IN(India)
- 3文字目:通貨単位の頭文字 → R(Rupee)
つまり、「INR」=「IN(インド)」+「R(ルピー)」という構成になっています。
ルピー(Rupee)ってどういう意味?
「ルピー」は、インドをはじめとする南アジア諸国で広く使われている通貨単位です。
この言葉の語源は、サンスクリット語の「रूप्य (rūpya)」に由来しています。
- 意味:磨かれた銀/光沢のある金属
- 「形を持つ」「加工された」といった意味合いもある
古代インドでは、加工された銀貨が通貨として流通していたため、
その特徴を表す言葉「rūpya」から、「Rupee」という名称が派生したとされています。
「Rupee」とは、単なる音ではなく、“銀の通貨”という本質を表す言葉だったのです。
インド以外にも「ルピー」は存在する?
実は「ルピー」は、インドだけでなく他の国々でも使われています。
- パキスタン・ルピー(PKR)
- ネパール・ルピー(NPR)
- スリランカ・ルピー(LKR)
- モーリシャス・ルピー(MUR)
- セーシェル・ルピー(SCR) など
これらはいずれも、インド文化やイギリス植民地時代の通貨制度の影響を受けて生まれたもので、
語源的には共通しています。
通貨記号「₹」のクセとデザインの由来
インドルピーの通貨記号は ₹(Unicode: U+20B9)。
2010年に正式に導入された、比較的新しい記号です。
- 基本形は、ヒンディー語で使われるデーヴァナーガリー文字の 「र(ra)」
- 上部の二本線は、インド国旗の三色旗を象徴すると同時に、
等号「=」の形を通して、経済の安定性と平等性を表している - デザインは、インド工科大学(IIT)デザイン学科の D. Udaya Kumar 氏によるもの
「₹」は、インドの言語文化に根ざした文字に、国際的な通貨記号としての視認性を加えた、現代インドの象徴的なデザインです。
まとめ:INRに込められた言葉と文化
- INRは、「IN(インド)」+「R(Rupee)」の組み合わせ
- “Rupee”はサンスクリット語「rūpya(磨かれた銀)」に由来
- 同名の通貨が南アジア諸国を中心に多数存在
- 通貨記号「₹」は、「र」の形をもとに国旗と経済理念を象徴した新たなデザイン
通貨コードINRは、古代インドの言葉と、現代の国家理念が交差する3文字。
「₹」という記号にまで、文化と言語と思想が宿っているのです。
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