前置き
「元気」と「罰金」。
ポジティブな単語とネガティブよりな単語。
対極にあるような二つの単語ですが、英語では両方ともfineで表します。
偶然でしょうか?
それが、偶然ではないのです。
この二つの単語には意外な繋がりがあります。
今回はその共通点を探ってみます。
それぞれの単語の意味
元気(fine)は、I’m fine.(元気です。)のように使われますね。
教科書で見たことがある方も多いのではないでしょうか。
(実際にはこの表現はあまり使われないという話もありますが、それはまた別の話。)
罰金(fine)は法や規約を犯したことで科される刑罰です。あまり関わりたくはないものです。
対極にあるような二つの単語ですが、ある一つの共通点で繋がっています。
語源をたどる
fine の語源は、ラテン語の finis(終わり・境界・完成)。
ここから派生した意味の流れは、こうです:
- 物事が終わる・完結する(finis)
→ 仕上がった状態
→ 問題が無く完成された状態
→ 元気(fine) - 物事に区切りをつける(finis)
→ 生じた問題に決着をつける
→ そのために支払うもの
→ 罰金(a fine)
つまり、「終わった・整った・決着がついた状態」がすべての共通点。
同じ語源の単語
finis(終わり・限界・境界) からは、他にも多くの英単語が派生しています:
- final(最終の)→ 試合の決勝戦などでもおなじみですね
- finish(終える)→ 終わらせるという動作
- define(定義する)→ 意味に“境界”を与える
- confine(閉じ込める)→ 範囲・場所を限定する
- infinite(無限の)→ 終わりがない、限界がない状態
これらの単語にも、区切り”や“終わりという感覚が生きています。
fine もそのひとつだと考えると、言葉のつながりがより立体的に見えてきます。
まとめ
「I’m fine.(元気です)」と「a fine(罰金)」。
まるで正反対の意味を持つように思える二つの単語が、**同じ語源=finis(終わり)**から生まれていました。
• 元気:物事が整っており、何も問題がない状態
• 罰金:問題が起きたが、それに対して“終わり”を与える支払い
どちらも、「もう問題がない」「物事が収まった」ことを意味していたんですね。
語源を知ると、言葉の奥にある感覚や共通点が見えてきます。
ただの英単語に見えても、元を辿ると意外な共通点が見つかって、英語の学び方も少しだけ楽しくなるかもしれません。
後書き
罰金の訳がfineであることを知ったとき、fineって元気じゃないの?と思ったことがあります。
「I’m fine.」は教科書の序盤に出てくる表現なので、「fine=元気」のイメージが強く、その単語が罰金も意味すると知ったときには驚きました。
意外なところでつながるのが、語源の面白さだと思っています。
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